皆さまこんにちは!歯科衛生士・マイオファンクショナルセラピストの後藤です。MFTの部屋をご覧いただきありがとうございます。
おもいっきり笑いたい。
だけど笑顔に自信がなく、人前で思いっきり笑うことが出来ない。
そんな経験はありませんか?今回のテーマは「笑顔」についてお話しします。笑顔に対する考え、想いは人それぞれかと思います。笑顔には、心身や健康に良い影響があること、そして、相手にも伝染すると言われています。
そんなプラスな効果が得られる笑顔…のはずですが、自信がないことや、自分を抑えてしまっていることで、自分の魅力を100パーセント表現しきれていないとしたら、それはとてももったいないことだと私は思います。
自信に満ちた笑顔の秘訣は口元
英語の「SMILE」と英英辞典で調べると、「口角を上げ、前歯を見せて、喜んだり、親切にしたり、面白がったりする表情をすること。」と定義されています。※[1]
このように、笑顔をつくる最大のポイントは「口元」にあります。笑顔に自信がない方は、口元に何かしらの悩みがある場合が多いのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では、当医院での口元から変える笑顔作りのアプローチ法をお伝えします。
自分の笑顔と向き合い、自信を持ち、気持ちよく笑える日々。そんな笑顔が作れるきっかけになれば幸いです。
ガミースマイルとは
皆さまは「笑顔」と聞いて、良いイメージ、悪いイメージ、その他にも、どんなことを思い浮かべますか?笑顔に対して悪いイメージがある場合、具体的にどういう理由でしょうか。当院には歯列矯正治療に通われる患者さまが沢山いらっしゃいます。
患者さまとの会話の中では、「歯並びが原因で歯を見せて笑うことにためらいを感じる。」といったようなお話しをされる方が少なくありません。
そして、もう1つ気になる点として多く声が挙がるのが、「ガミースマイル」です。
皆さまは、ガミースマイルをご存知でしょうか。
ガミースマイルとは、英語で Gumm=歯ぐき smile =笑顔という意味です。笑った時に上顎の歯ぐきが多く見える状態を示します。一般的には、3~4ミリ以上歯ぐきが露出しているとガミースマイルとされています。
ただ、ガミースマイルは必ずしも治療が必要なわけではありません。歯ぐきそのものには機能的な問題はなく、多くは審美的に気になる場合に、治療が施されます。
Drummonds Capellinの研究結果によると、微笑み時の上の前歯と歯ぐきの露出量は、年齢とともに減少すると発表しています。つまり、加齢とともに、ガミースマイルは目立たなくなってくるということです。
現在の顔つき・歯・歯列を改善することはもちろん重要でありますが、時間経過として、40歳、50歳になった時の顔つき・歯・歯列を考慮することが重要です。下図は30歳~60歳の間の10年ごとに示している、微笑時の前歯・歯ぐきの露出の変化です。※[2]
ではガミースマイルはどうしてなるのか、そして治療はできるの?と気になりますよね。
まずはガミースマイルになる原因からお伝えしますね。
ガミースマイルになる原因
ガミースマイルの原因は複数あり、歯ぐき、歯や骨、唇、顎のいずれかの要因によって引き起こされることがあります。
1.歯ぐき
歯が歯ぐきに対して短すぎるように見える場合は、歯の周りの組織が多すぎるために、歯ぐきで歯が覆われている可能性があります。
2.歯や骨
歯ぎしりや食いしばりなどによる歯の摩耗により、歯が短くなり、歯ぐきに対して歯が短く見えてきてしまいます。また、歯を支えている骨が、噛む力に耐えようと、時間をかけならがゆっくりと過剰に発達していきます。(骨がボコボコしている部分を骨隆起と言います)骨が発達すると、周りを覆う歯ぐきが余計に目立ってきてしまうのです。
3.唇
上唇がもともと短い、または笑ったときに唇が筋肉の過度の緊張により、上がり過ぎてしまうことで歯ぐきが沢山見えてしまいます。
4.顎
上顎が顔に対して長すぎることがあります。これは、上顎が下方向に成長していることにより面長な見た目になります。
口腔筋機能不全の一つである、口呼吸・お口ポカンはこのような顎の発育になると研究結果でもいわれています。※[3]
このように、ガミースマイルは複数の原因があるため、専門家はそれぞれの原因に応じて問題を解決するための最適な治療法を提供することが必要となります。※[4]
[1]参考『oxford languages』
[2]【引用】Sarver DM:Soft-Tissue-Based Diagnosis and treatment Planning.Clin Imp 14(1):21-26,2005.
[3]【引用】”Chronic mouth breathing may determine skeletal and myofunctional changes that hinder facial growth.”-Morais-Almedia M et al.page568-
[4]【参考】Gummy smile: diagnosis and treatment options
I. Lemos,R. Avitos,R. de Noronha,M. Urquiza DOI:https://doi.org/10.1016/j.ijom.2019.03.803
では、どのような治療法があるのでしょうか。続けてガミースマイルを改善する方法をお伝えしていきますね。
ガミースマイル治療
当医院では以下のようなガミースマイルに対してのアプローチを行っています。
1.歯肉切除術
ガミースマイルを治療するための最も一般的な外科処置です。局所麻酔を行い、歯を覆っている過剰な歯周組織(歯ぐき)を除去します。
歯ぐきが切り取られ、歯の表面が露出することで歯のサイズが大きく見えるようになります。ガミースマイルでなくても、歯ぐきのラインを均等に、かっこよくする為にも行えます。
歯肉整形とセラミックのかぶせ物による審美修復
(BEFORE→AFTER)
歯肉切除術とは
※外部リンク
2.矯正治療
歯を動かす方法です。
歯の位置をかえることにより改善される場合は歯列矯正を行います。多少時間はかかりますが、上の前歯を正しい位置に置くと、歯ぐきの位置も変わり、笑う時に歯ぐきが露出しにくくなります。
矯正治療とは
※外部リンク
3.ラミネートベニア・セラミッククラウン
歯ぐきに比べて短く見える歯の摩耗を修正するために、効果的な治療です。歯に冠をかぶせたり、薄いラミネートベニアで覆ったりすることで、歯を長く見せることができます。歯の大きさや見た目が変わり、笑顔のバランスが良くなります。場合によっては、歯肉切除術と併用して行います。
被せもの治療とは
※外部リンク
4.MFT(口腔筋機能療法)
銀座みゆき通りデンタルクリニックでの筋肉にアプローチする方法としては、MFT(口腔筋機能療法)を取り入れています。
その他、上唇を上げる筋肉が発達しすぎている場合の治療法としてボトックス注射治療があります。これは、一時的に筋肉の働きを弱める効果が期待され、よく美容外科で行われている方法です。
ガミースマイルの原因をよく知り、それぞれ自分に適した治療を行うのが大事であることがお分かりいただけたでしょうか。
ここで前述しました、皆さまが今すぐに実践できるMFTを取り入れた笑顔作りのお話をしたいと思います。
MFTで笑顔をコントロール
笑顔を作るときは、口角(唇の両脇)を上げる筋肉、上唇を上げる筋肉、唇を閉じる筋肉が、主に働きます。このときに、上唇を持ち上げる筋肉が過緊張し、更に唇を閉じる筋肉が弱いと、バランスが上手く保たれず、歯ぐきがたくさん見えるガミースマイルになってしまいます。上唇を引き上げる力が強い方は、逆の閉じる力が弱い傾向があります。
MFT では、口周りの筋肉を鍛え、唇を閉じる筋肉(口輪筋)のエクササイズもプログラムに含まれます。
上唇を持ち上げる筋肉が過緊張している方は、口輪筋が弛緩している傾向があるので、口輪筋をしっかり鍛える事が必要です。
唇を閉じる筋肉と、上唇を引き上げる筋肉を引っ張り合うように働かせて、バランスよく上唇をコントロールできるよう練習をします。
下図は実際にMFTプログラムを受け、笑顔作りに取り組んでいらっしゃる患者さまの、笑顔の比較画像です。
画像Aがコントロールなしで笑っていただいた時のスマイルライン。
画像Bがコントロールをして作った時のスマイルライン。
違いをおわかりいただけますか。
口角を引き上げたまま、上唇は下げ、下唇は上げるように筋力で調整しています。これがなかなか簡単に出来ず大変なのです。
画像Bを見て頂くと、上顎の歯ぐきは隠れ、下の唇のラインは、上の歯の先端あたりに沿って曲線が描かれています。このラインをスマイルアークといいます。非常に美しいスマイルラインになっていますよね。
また、魅力的な笑顔をつくるには、口周りの筋肉だけではなく、舌の筋肉も見た目に大きく関わります。口腔周囲筋の機能改善トレーニングは、素敵な笑顔作りの重要な役割でもあるのです。
一度鏡を見て、笑顔を作ってみてください。いかがでしょう。
- 口角の上がり方に左右差がある
- 上手く引き上げることができない
- 歯が少ししか見えない
- 下の歯が見える
- 歯ぐきが沢山見える
などと、気づくことがあるのではないでしょうか。もしかしたら、今まで見たことのない表情かもしれませんね。
顔は生まれつきと思っている方が多いのですが、日常のトレーニング次第で変わります。猫背になっている姿勢は背筋を伸ばす意識をするだけのたった一瞬で、見た目がガラリと変わりますよね。笑顔も同じです。笑顔を作る表情筋は、スタイルと同じで、何もしないと衰えます。日頃のトレーニングで最高の魅力を引き出し、あなたにとって理想の笑顔を手に入れましょう。
次にご紹介する2つのエクササイズは、手軽にすぐに取り組める、口周りの筋肉を鍛えるエクササイズです。
マスクをつけていると、口元は緩みがちですが、マスクを有効に使うこともできます。マスクをつけているからこそ、いつでもどこでも行えますので是非試してくださいね。
実践!MFTエクササイズ
まとめ
今回はガミースマイルについて、原因と治療法そして、エクササイズをお伝えしました。笑顔は唯一人間が作れる大切な表情の一つです。骨格、歯並びは人それぞれ違います。写真をとるときに、自分が良く見える角度でとったり。お化粧で工夫をして、自分の顔にあったメイクをするように。鏡をみて、自分が一番良くみえる理想の笑顔作りをしてみてはいかがでしょうか。
笑顔コントロールでもっと魅力アップした自分になれたら嬉しいですよね。ガミースマイルに関してもっと詳しく知りたい方はお気軽にお問い合わせください。
ご自身やお子様、ご家族の方、MFTにご興味がある方は下記より承ります。オンラインでのMFTカウンセリングを受付中です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
歯科衛生士/マイオファンクショナルセラピスト
後藤